宝石雨粒

夜空から降るのは、悲しみじゃなくて宝石だった。

夜の街に舞い降りるのは、涙ではなく煌めく“宝石雨粒”。
モノクロで描かれたこの幻想の風景には、
星と十字が交錯する空、躍る蝶、命のように咲く花々、

そしてどこか“記号的で神聖な構造物”のような植物の姿が共存している。

この絵の中では、都市と自然、悲しみと美しさ、現実と祈りがひとつの時間に閉じ込められている。
あふれる線の重なりがまるで音楽のように響き、
見る者の感情の奥へと降り注いでくる。

「悲しい日にも、美しいものは降ってくる」
そう信じる心が、どこまでも繊細に、力強く描かれている。